製造業と物流倉庫の自動化プロセスにおいて、段ボール箱のパレットからの取り出しは、資材フローの重要な工程です。柔軟な生産方式の普及に伴い、同一の取り出しステーションで多種多様な段ボール箱のサイズや段積みパターンに対応し、異常な箱の識別と仕分けも行う必要があります。単にコンベヤでの位置決めや機械的なリミットスイッチに依存する従来の方式では、複雑で変化する現場のニーズに対応することが難しくなっています。そこで、3Dビジョンガイダンス技術が業界の主流ソリューションとなっていますが、実際の導入においては、ビジョンによる位置決め精度、作業サイクルタイム、現場環境への適応性が、プロジェクトの安定稼働を左右する主要な課題となっています。
一、プロジェクトの課題
当該ステーションに投入される材料は標準化された段ボール箱で、1箱あたりの重量は約20kgです。段ボール箱はパレット上に2行4列で密に積み重ねられ、2段に分かれています。 生産ラインには2つの難点があります。 1. 段積みパターンが複雑で固定されていない 満載パレット:上段の箱数は1~5個と変動し、総数は9~13箱です。 残パレット:一部の箱が取り出された後、再び倉庫に戻されたパレットで、単段または上段に残ったわずかな箱のみが残り、その数は1~8箱の範囲です。 2. 「ゼロ箱」は別途分流する必要がある 一部の段ボール箱は内部の充填量が不足しているため、上面に白いラベル(「ゼロ箱」の表示)が貼られています。 ゼロ箱はロボットで掴んだ後、端材プラットフォームに置かなければならず、下流のパレットに積み重ねてはいけません。 ゼロ箱はその段の最後の位置に固定されていますが、ラベルの貼付角度や位置にばらつきがあるため、従来のテンプレートマッチングでは安定した認識が困難です。
さらに、段ボール箱の間には隙間がなく、表面にはバンドや印刷模様があるため、3Dカメラの点群の完全性と認識アルゴリズムに高い要求が課されます。
二、ソリューション
上記の難点に対応するため、プロジェクトでは3D産業用カメラと産業用ロボットを組み合わせたビジョンガイダンスによるパレット取り出しソリューションを採用し、現場にはEpic Eye Log L 3D産業用カメラを固定設置し、取り出し位置の真上に配置しています。
システムの流れは以下の通りです。
手動フォークリフトで段ボール箱のパレットを取り出し位置に搬送し、位置決め信号をトリガーします。 ロボットがゼロ箱検出信号を送信し、3Dカメラが撮影・スキャンして、ゼロ箱の有無を確認します。 カメラが撮影し、アルゴリズムが段ボール箱の配列とゼロ箱のラベル位置を認識し、掴み点の姿勢と掴み数(1回に1個または2個)を出力します。 ロボットはビジョンの結果に基づいて箱を掴み、パレットに積み重ね、ゼロ箱は端材プラットフォームに置きます。 パレットが空になるか、指定された数に達するまで繰り返します。下流の需要が総投入数より少ない場合は、ゼロ箱を元のパレットに戻して倉庫に戻します。
三、アプリケーションの利点
精度とサイクルタイムの両方で優れている 実測の認識精度は±1mm、掴み精度は±1mm、撮影+アルゴリズム処理はわずか3秒で、後続のサイクルタイムに余裕をもたらします。
ゼロ箱認識は安定して信頼性が高い 深層学習によるトレーニングにより、システムは白色ラベルを様々な照明条件や傾斜角度でも認識し、その成功率は99.9%以上です。ゼロ箱は掴まれた後、正確に端材プラットフォームに配置され、通常の積み重ねに混入するのを防ぎます。
残パレットと複雑な配列に自己適応 カメラは撮影のたびに列単位で箱の数(1または2)を計算し、自動的に掴み点を計画します。残パレットのシナリオでは、手動で再ティーチングする必要がなく、ビジョンシステムが残りの箱の位置と姿勢を直接出力します。
四、導入価値
ゼロ箱/残パレット対応:手動仕分けが不要になり、現場作業者の負担を軽減。 効率向上:手動によるパレット取り出しを代替し、効率が大幅に向上、サイクルタイムが安定して制御可能、従来のソリューションの効率ボトルネックを解消、大量生産のニーズに対応。 柔軟な生産切り替え:新しい段ボール箱のタイプが追加された場合、深層学習によるトレーニングで対応可能、ハードウェアの交換は不要。 工業オートメーションが柔軟性と知能化に向けて深く発展するトレンドの中で、3D産業用カメラはパレット取り出し、仕分け、ローディング/アンローディングなどの主要なシーンで引き続き活用され、高精度、高安定性、高い柔軟性という技術的優位性により、製造業の自動化アップグレードの主要な推進力となります。